アルコール、薬物、ギャンブル、窃盗、盗撮など……、やめた(捕まった)その瞬間から着々と次の再飲酒や再使用や再犯の準備が積み重ねられていくのです……、これを再発と言います。
つまり、やめたその瞬間に再発がはじまるのです。
再発の代表的な特徴のひとつに問題探索があり、ソレが蓄積することによって、再飲酒や再使用につながります。
そして、再飲酒や再使用をしてもやむを得ない理由(やむを得ない理由や事情なんてないのですが……)を探しだすのです。
実はやめたからといっても、身についた使っていた頃の習慣的で自動的な行動や対人パターンや考え方はそのまま繰り返されるわけでして……。
コレも再飲酒や再使用に向けてまっしぐらの再発なんですね。
小さな再発は坂道を転がる雪玉のように大きくなっていき……
……というわけです。
再飲酒や再使用の前にある再発に気づくのはなかなか難しく、気づいたとしても、私たちは「わかっちゃいるけど(強迫性)、つい(衝動性)…」同じ失敗を繰り返してしまいます。
……私たちはうまくいかないと、今すぐに分かりやすい結果を欲しくなりますが、このこと自体も再発で、アディクションの特徴のひとつです。
また、考えて考えて考えたあげく間違えるし、違う結果を求めて同じことを繰り返してしまいます。
……でね、つい……
ちゃんと反省して、心機一転、一念発起して、心を入れ替え、天地神明に誓って、金輪際、絶対に、二度と同じ間違いをおかさないように、強い意志と根性をもって努力して頑張ろう……なんてできもしないことを言ったり、誓約書みたいなものを書いたりするんだけど……
……これは立派な再発なんだよね(^_^;)
というか、もう今すぐにでも飲みます、使います、食べ吐きします、切ります……の宣言だよね(^_^;)
再発は依存症本人の問題だと思われがちですが、家族や支援者も全く同じなんだよね。
むしろ、家族や支援者の方が厄介でたちが悪いね。
家族や支援者の再発が、本人の再飲酒や再使用につながる大きな要因でもあるんだよ。
依存症者がシラフ(素面)で生きるってものすごく大変なんだよ。
そもそもアルコールや薬物やギャンブルや自傷や食べ吐き……などは苦痛緩和のための自己治療手段が目的化し習慣化したもので、要するに生き延びるために必要なことなのです。
だから、依存症者がソレをやめるというのは生きていけなくなるということなんだね。
やめたその瞬間から、酔ってラリって長い間棚上げしてきたことをシラフで自分で対応していかないといけなくなるんだね。
だから「生きていくことがどうにもならなくなった」ことを認めるところからが回復のスタートなんだけど、そんなに簡単にいかないの。
大好きだったアル中さんは、いつも「シラフの頭はしんどいし、さみしいわ」と言っていましたが、シラフでいることによって、自助グループの仲間をはじめたくさんの人から愛され助けてもらうことができるようになりました。
酔ってラリっていると孤立していきます(孤立するために……ということもあります)が、シラフになるというのはひとりで生きていけないことと、生きていくために助けが必要だということを思い知らされる(認め受け入れる)ということなんだよね。
再発はいけないことではなく、あたりまえにあることなんだよね。
依存症あるある……で、みんな通る道ですし、ここからはじまるわけです。
再発は怖れる必要もないし、気づいたら「順調」というふうに理解するのが良いですね(^o^)
実は、回復は再発からはじまるのです(^o^)