こらーる岡山といえば知る人ぞ知る、山本昌知(やまもとまさとも)先生が所長をつとめた岡山の精神科診療所で、2008年には想田和弘監督のドキュメンタリー映画「精神」「精神0」が公開されたのは、まだ記憶に新しい。
こらーるというのはもともとルター派教会で歌われていた讃美歌で、合唱とか合奏を意味していたりするそうです。
山本先生と想田監督の対談「人薬」や、教育研究者大田尭さんとの対談「ひとなる」はとても良かった。
2016年にはこらーる岡山は閉院され、後同じ建物で大和診療所が診療を引き継ぐかたちとなり、山本先生も非常勤で診療をなさっていた。
現在、山本先生は86歳ですが、風の噂でまだお元気に診療もなさっておられるとお聞きし、とてもうれしく思います。
最近はエビデンスが……、ICDが……、DSMが……、CBTが……というのばかりが目立つようになり、山本先生のような患者さんとの向き合い方をするお医者さんがいなくなってきました。
「人は人を浴びて人になる」で知られる夏苅先生や、「赤ずきんとオオカミのトラウマケア」で知られる白川先生もそうですが、ちゃんと人として人に向き合う医師や支援者はもういないのかもしれません。