いちおう臨床心理士ですけどなにか?(昔々その昔のはなし) ⑧ -電気ショック療法-
当時(昔々)、患者さん達からは「デンパチ」と呼ばれていました。
実は、まだ良いお薬がなかった頃は、精神科における古典的治療にはショック療法があたりまえにありました。
電気ショック療法やインスリンショック療法や持続熱発療法などがその代表かと思います。
電気ショック療法と言いましたが、正確には電気けいれん療法、Electroconvulsive therapy (ECT)と言いまして、実は数年前からはその効果が見直され最近では多くの精神科病院で取り入れられるようになっています。
今は多くが適用アセスメントをしっかりしたうえで、麻酔下できちんと管理された状態で実施されることがほとんどです。
しかし、私が精神病院に就職した45年前に行なわれていたのはまさに「デンパチ」でした。
畳の部屋に並んで寝かされ、順番に「デンパチ」をやっていく………という集団電気ショック療法がされていた時代もあり、後には罰則的に使われたりもしていました。
もちろん、ひどい錯乱状態や暴れる患者さんや自殺企図の患者さんなどにも治療的に使われ電気ショック後はすっきりよくなっていたりしました。
昔々の精神病院はお医者さんも看護師さんも圧倒的に少ない数でよかったので慢性的に人が少ないわけで、少ない人数でたくさんの患者さんを診るには管理支配色を強くせざるを得なかったわけです。
そんななかで臨床心理士がぁ〜と言っても誰も聞いちゃくれないわけで、少ない人数を埋め合わせるのに都合の良い補填要員に過ぎなかったのです。
……というわけで、集団電気ショック療法の際にもお声がかかり、前処置から患者さんを抑えたり事後の観察を含めた処置のお手伝いなどもしていました。
……が、いいのかこれで……?
とは思っていましたし、外部の勉強会などに出かけると、他の方々と自分の扱われ方があまりに違っていて……、他の方々は先生と呼ばれ心理士として役割も明確で大事にされお給料も比べものにならないくらいよかった。
だから、外部に勉強に行けば行くほど惨めな思いが募っていきました。
こんなんでも、一応、とりあえず臨床心理士ですけどなにか?
さらに続く………かもしれないよ(^_^;)