レビー小体型認知症への誤解

 

レビー小体型認知症といえば幻視や錯乱や興奮がよく知られていますが、実は幻視などよりも、うつ、パーキンソン、筋緊張、こわばり、疼痛、過敏、気分変動、過眠、立ちくらみ、動悸、食欲低下、興味関心の低下、ADLの低下などが目立ち、
いわゆる中核症状はあまり見られないことが少なくありません。

働き盛りの若年発症も珍しくないため、うつ病統合失調症やピック病と誤診され、そのまま抗うつ薬や向精神病薬を処方され続けることがあります。

いちいち頑張らないと生きていけないし、起きるのも寝るのも頑張らないといけないので、他のことは何もできなくなってしまいます。

お医者さんでも鑑別診断が難しいことが珍しくありません。

うつ病と診断されうつ病の治療をしていたら幻覚や錯乱や興奮が出現、双極性障害と診断が変わり治療も双極性障害の治療へと変更されるがあまり良くならず、統合失調症と診断が変わり……ということがあるのです。

そして残念ながらレビー小体型認知症の治療は決定的なものがないのが実情です。

やむを得ないとも思いますが、病気については他にもたくさん私たちの理解が、理解不足や誤解されていることはたくさんあります。

レビー小体型認知症については、41歳でレビー小体型認知症を発病したが当初うつ病と診断され、レビー小体型認知症と診断されるまでに9年かかったという、樋口直美さんの書かれた著書「私の脳で起こったこと」、「誤作動する脳」(名著です)、「できるとできないの間の人」などが参考になりますので、ぜひお読みになってみてください。