中井久夫先生

精神病院に就職して、恩師となった井上正吾先生(三重県こころの医療センター(旧高茶屋病院)初代院長)から読むように言われたのが、フロイトでもユングでもなく、西丸四方中井久夫とサリバンの著書でした。

サリバンの難解な超わかりにい文章を、日本人にわかりやすくく邦訳してくださったのが中井久夫先生でしたね。

右手に西丸四方、左手に中井久夫、足もとにサリバン……てな感じでした(^_^;)

中井久夫先生の著書はあの名著「精神科治療の覚え書」を最初に、そこからほとんど全てを読み漁りました。

西丸四方先生は愛知医科大学におられたことがあり、実は私の勤務していた精神病院でも診療をなさっていたことがあります。

西丸四方先生の「精神医学の古典を読む」が大好きでした。


私がまだ青二才の頃、名古屋には中井久夫先生、木村敏先生、山中康裕先生、神田橋條治先生、成田善弘先生、笠原嘉先生、片口安史、空井健三、成瀬悟策先生……と錚々たる方々が集まっていた時があります。

これはすごいことなのですが、今やこれがすごい……ということがわかる人はわずかですね。

中井久夫先生の訃報を知り、いろいろなことがぐるぐると頭をめぐり、眠れそうにありません。