実は、内科、外科、整形、歯科、婦人科、耳鼻科、皮膚科、眼科、泌尿器科など身体科受診の患者さん達の多くに、結構大変な養育環境で育ってきたり、災害や犯罪被害に遭われたり、結構過酷ななかで生きてこられた方々がおられて、メンタルのダメージも大きな方々が散見されるけど………、まぁ、何もない人はいないんだね。
だからといってみなさん精神科や心療内科を受診したりしているわけではないし、必ずしも精神科や心療内科の受診が必要なわけじゃないんだね。
つまり、私たちはいろいろあると身体にあらわれるし、身体は正直なのです。
実は身体症状の背景にはなかなか語られない複雑な事情があることが珍しくありません、いや、身体が語っているのです。
みなさんなかなか良くならなくて困っているとおっしゃいますが「最近は少し良さそうですね」なんて言われた途端に症状が悪化したり、他に具合悪いところが増えていきます。
また、精神科疾患の多くが多彩な身体症状を併発していることもあたりまえです。
このように、身体症状の背景に精神科関連問題が潜んでいたり、過酷な養育環境のなかを生き延びてきたり、災害や犯罪の被害に遭われたりしてきた方々は、簡単には身体症状が良くならないことが多いのです。
身体症状によって苦しめられていることで、救われたり助かったりすることがあり、具合悪く病気でいることがご自身のアイデンティティになっていることもあります。
たいていは、安易に(強引に、侵襲的に)症状を取り除こうとすると強い抵抗にあい、かえって症状を悪化させたり、こじらせてしまったりします。
だからこそ安心して具合悪くいられることが大事なのです。