BPSDって知ってる?
認知症の周辺症状のことで「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」の頭文字をとってBPSDと呼ばれています。
認知症は、いわゆる記憶障害、見当識障害、思考力や判断力の低下、物事の遂行障害、徘徊、注意力の障害、失行、失認、失語、幻覚、妄想、せん妄などが代表的な中核症状です。
これに対して周辺症状(BPSD)は、不安、 うつ、イライラ、怒りっぽい、暴言、暴力、ハマりやすさ(アルコールやギャンブルやゲームなど)、こだわり、収集癖、多動(落ち着かない)、徘徊、失禁、不眠、意欲低下、食欲不振、異色、希死念慮などがあり、うつ病や躁うつ病や妄想性障害との鑑別が難しかったりします。
昔、老人性精神病(正式な診断名ではない)と言われていた状態と重なります。
BPSDは「こんな人じゃなかったのに……」というくらい人が変わったかのようになることもありますが、もともとの病前性格が増幅されてしまうことも少なくありません。
内科入院中に暴言暴力により強制的に退院させられた高齢の方の情報提供書に「易怒性が高く……云々」と書かれ、お医者さんからもBPSDの易怒性の高さが……云々……という説明だったが、ご家族にしてみれば「いやいや、この人は昔からもともとそういう人だった」なんてことがあるわけです。
もともとの心配症や、被害的傾向や、溜め込み癖や、ハマりやすさ他、BPSDとされてしまうことのいくつかは、もともとの病前性格だったりするんだよね(^_^;)
ジワジワと時間をかけて認知症の進行があると、周囲の身内はBPSDとしての症状にもかかわらず、もともと頑固だったし……とか、まぁ、もともと短気だったし……とか、もともといろいろ気にしいだったし……ともともとの病前性格がそうだったと思い込んでいる場合もあるんだね(^_^;)
……実際はなかなか難しいところですね(ーー;)