家族集積性

「家族集積性」について

アルコール依存症家庭というのはDVや虐待やマルトリートメントの問題が同時に併存し、本人以外の家族構成要員や近い身内ににうつ病躁うつ病強迫性障害発達障害不登校やひきこもりや他の依存症問題(摂食障害自傷行為、買物、浪費、ギャンブル、性的逸脱、窃盗他など)があることが珍しくありません。
ここには、いわゆるACの問題や共依存の問題やCPTSDの問題も含まれます。

このように、同一家族内に同一疾患や類似疾患や関連疾患や問題が発生していることを広い意味で「家族集積性」があると言います。

1986年の古い作品ですが、まだ売れる前のキアヌ・リーブスが主演の「アンダー・ブルー」というアルコール依存症家庭を描いたテレビ映画(劇場未公開、ビデオは出されていた)をご覧になると「家族集積性」や「AC」や「共依存」や「カサンドラ症候群」などがわかりやすく理解できるかと思いますので、興味のある方はご覧になってみてください。

もともとは「遺伝負因」の高いガンや糖尿病などの疾患が同一家族内で複数発症することを「家族集積性」があると言っていましたが、遺伝負因のみならず家族の習慣や食事などの「環境要因」が「家族集積性」に影響していることがわかり、遺伝負因や環境要因によって同一家族内に同じような疾患が発生しやすいことを「家族集積性」があると言うようになりました。

一部の遺伝負因の高い精神科疾患(躁うつ病発達障害など)には「家族集積性」がみられますが、遺伝負因が高くない疾患や問題(アディクション関連問題など)にも「家族集積性」が認められます。

さらに、単一の疾患や問題のみならず、周辺関連問題も含め、やや拡大解釈をすると「家族集積性」はあたりまえにみられるものと言えます。

「家族集積性」は、「家族内力動」や「家族システム」や「家族内コミュニケーション」のあり方によっても多大な影響を受けており、「世代間連鎖」の問題や「家族内親和性」とも密接な関係があります。

家族内の誰かの問題が表面化するとき、他の家族が抱える問題は隠蔽され、表面化している問題によって他の家族が救われるということがあり、このことが家族内での「問題維持システム」が構築されていくことにつながります。

「家族集積性」は「家族内親和性」によってもたらされるものでもあり「家族内親和性」とは、家族内で共有されあたりまえになっている飲酒、喫煙、食事、入浴、ルール、役割、ギャンブル、暴言暴力、コミュニケーション、高EE、不機嫌などの生活習慣や対人関係のことです。

「家族内親和性」によりもたらされる疾患や問題は当然「家族集積性」を帯びたものになり、それは時に「世代間連鎖」や「再演」となって表面化されたりします。

例えば……
お父さん(お母さん)が毎日晩酌をし、喫煙者で、週末にはギャンブルを嗜むという家では、飲酒や喫煙やギャンブルに対する親和性が高くあまり抵抗がないので、そこで育った子どもたちも飲酒や喫煙やギャンブルを嗜むようになりやすいわけですね。

お父さん(お母さん)が飲酒も喫煙もギャンブルもしないお家で育った子どもたちは、飲酒も喫煙もギャンブルも馴染みがないので飲酒も喫煙もギャンブルもやらないことが多いのです(当然そうじゃないこともあります)

このような家族内親和性がないにもかかわらず、家族内の誰かに依存症等の問題が顕在化しているときは、ソレによって隠されている他の問題が必ずあるのです。

つい、ウチの配偶者がぁ~、ウチの子どもがぁ〜、◯◯がぁ〜……となりますが、「問題は私だ!」と気付き配偶者や子どもや◯◯のことではなく「私自身の問題」について目を向けることが大切なことになります。

え?
もっと詳しく、もっとわかりやすく、具体的に知りたい?

はい、ウチにおいでよ(*^^*)